自動車用投影におけるMLAの応用

ASD (1)

マイクロレンズアレイ(MLA):多数の微小光学素子で構成され、LEDと組み合わせることで効率的な光学系を形成します。キャリアプレート上にマイクロプロジェクターを配列・被覆することで、鮮明な全体像を生成できます。MLA(または類似の光学系)の用途は、光ファイバー結合におけるビーム整形から、レーザーの均質化、同一波長のダイオードスタックの最適な束ね方まで多岐にわたります。MLAのサイズは5~50 mmで、その構造は1 mmよりも大幅に小型です。

ASD (2)

MLAの構造:主な構造は下図の通りで、LED光源はコリメートレンズを通過してMLA基板に入射し、MLA基板によって制御・発光されます。投影光円錐は大きくないため、投影パターンを長くするには投影を傾ける必要があります。コアコンポーネントはこのMLA基板であり、LED光源側から投影側までの具体的な構造は次のとおりです。

ASD (3)

01 第1層マイクロレンズアレイ(集光マイクロレンズ)
02 クロムマスクパターン
03 ガラス基板
04 第2層マイクロレンズアレイ(投影マイクロレンズ)

動作原理は次の図で説明できます。
LED光源はコリメートレンズを通過した後、集光マイクロレンズに向けて平行光を照射し、一定の光錐を形成してエッチングされた微細パターンを照射します。微細パターンは投影マイクロレンズの焦点面に位置し、投影マイクロレンズを介して投影スクリーン上に投影され、投影パターンを形成します。

ASD (4)
ASD (5)

この状況でのレンズの機能:

01 焦点を合わせて光を当てる

レンズは光を正確に焦点合わせ、投影することで、投影された画像やパターンが特定の距離と角度から明瞭に見えるようにします。これは自動車の照明にとって極めて重要であり、投影されたパターンやシンボルが道路上で明確かつ容易に識別できる視覚メッセージを作り出すことを可能にします。

02 明るさとコントラストを高める

MLAはレンズの集光効果により、投影画像の明るさとコントラストを大幅に向上させます。これは特に、暗い場所や夜間の運転において重要です。高輝度・高コントラストの投影画像は運転の安全性を向上させることができます。

03 パーソナライズされた照明を実現する

MLAにより、自動車メーカーはブランドやデザインコンセプトに基づいて、独自の照明効果をカスタマイズできます。レンズを正確に制御・調整することで、自動車メーカーはブランド認知度と車両のパーソナライゼーションを向上させる、様々な独自の投影パターンやアニメーション効果を作成できます。

04 ダイナミックライト調整

レンズの柔軟性により、MLAはダイナミックな照明効果を実現します。つまり、投影された画像やパターンは、様々な運転シナリオや状況に合わせてリアルタイムで変化します。例えば、高速道路を走行しているときは、投影されたラインをより長く直線的にすることでドライバーの視線をより効果的に誘導できます。一方、市街地を走行しているときは、より短く幅の広いパターンでドライバーの視線をより効果的に誘導する必要があります。複雑な交通環境にも適応します。

05 照明効率の向上

レンズ設計により光の伝播経路と分布を最適化し、照明効率を向上させることができます。つまり、MLAは十分な明るさ​​と鮮明さを確保しながら、不要なエネルギー損失と光害を削減し、より環境に優しく省エネな照明効果を実現します。

06 視覚体験を向上させる

高品質の投影照明は、運転の安全性を向上させるだけでなく、ドライバーの視覚体験も向上させます。レンズの精密な制御と最適化により、投影された画像やパターンの視覚効果と快適性が向上し、ドライバーの疲労や視覚的な干渉を軽減します。


投稿日時: 2024年6月24日